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2020年10月
2020年10月30日(金)
第49回文化祭校長あいさつ
第49回 鹿児島県立頴娃高等学校文化祭 校長あいさつ
令和2年10月30日(金)
皆さん,おはようございます。
第49回 鹿児島県立頴娃高等学校 文化祭「あつまれ頴娃高校の森~三密避けよう~」の開催に当たり,一言あいさつをいたします。
準備に当たってこられた,文化祭実行員会を始めとする生徒の皆さん。クラスや部活動個々のグループ,授業の成果発表と運営に向けて,それぞれ分担し目標に向けて作り上げていく貴重な体験を重ねてきました。指導や助言に当たっていただいた先生方にも感謝申し上げます。
相当の時間をかけ計画し準備する間には,問題・トラブルもあったかもしれませんが,自分たちで考え,決め,それに伴う責任をも経験する,よい機会になったと思います。大変ではあっても,祭りを準備し「待つ」時ほど面白いことはありませんね。
また,ステージや展示,それぞれの場面で,「自分の,自分たちの,外に向けて表現すること」で,初めて見いだせることがあります。上手くいってもいかなくても。
表現することは,自分を捉えるとともに,他の人の存在を受けとめることになります。このような活動に参加する機会は,皆さんにとって,とても意味があります。
スポーツもそうですが,文化活動などに参加する機会を奪われた子どもは,「溶け込めない」という不安を抱くようになる,と言われています。
表現すること,スポーツをすること,それらを習ったりすることなどを難しく受け止め,「自分は音楽や演劇,芸術,スポーツには値しない人間だ」と感じるようになる,というのです。
好奇心や芸術性,遊びの精神を培う機会を失うことがあってはなりません。
今年は,新型コロナウイルス感染症対応のため,体育大会同様,規模を縮小,来場者も制限し,平日の開催となりました。それでもこのように,無事開催に至ったことを喜びましょう。
また,昨年度までであれば御来場いただいていた,御来賓,警備やその他いつも様々な御協力をいただいている保護者や同窓会の方々,その他地域の皆様の御理解と御支援に,この場を借りて御礼を申し上げます。
また今回は,感染症対応の中で,どのような取組ができるのか,という言わば「試し」の場でもありました。目を周囲へ,日本各地や,世界に向ければ,思うようにならない厳しい現実が多々あります。それでも,今できることにどれだけ誠実に,真剣に,そして楽しんで向きあえるか。
文化活動は,深い精神活動に基づくものです。共感し,分かちあう中で,他の人へも影響を与え,伝えられていきます。
素直に驚き,感じる。その感性を大切にして,思いを込めて文化祭を創り,楽しみましょう。
「あつまれ頴娃高校の森~三密避けよう~」
以上をもちまして,開会の挨拶といたします。
2020年10月22日(木)
「足踏み式手指消毒器」を製作しました
本校機械電気科職員の門前先生が,生徒と考案・製作した「足踏み式手指消毒器」を本校正面玄関に設置しました。本校へ来校される方々が手軽に消毒を行えるとともに,容器に触らずに済むことでさらなる感染リスクを軽減することにもつながります。
2020年10月22日(木)
秋季地区大会について
先日,秋季地区大会が行われました。新チームをスタートさせ,この大会が初めての対外試合になった部もあったようですが,全力を出し切り頑張ってくれました。その中で男子バスケットボール部が準優勝,女子バスケットボール部が加世田高校との連合チームとして同じく準優勝の結果を残してくれました。
男子バスケットボール部
女子バスケットボール部
バスケットボール部の皆さん,おめでとうございました。
これから県新人戦や選手権等の大会が開催されます。それに向け仲間と切磋琢磨し,試合に出場できる喜びや,自分たちを支えてくださっている方々に感謝の気持ちを忘れず大会に臨んで行きましょう。
2020年10月19日(月)
令和2年10月19日全校朝礼に代えて 「読書週間によせて」
読書週間によせて 校長 林 匡
おはようございます。
10月16日からは,いよいよ3年生の民間企業就職試験も始まりました。たとえ厳しい状況でも負けないで,是非目標を実現されるよう,今までの取組の成果を挙げられることを願っております。また,進路先が既に決まった人も,それぞれの時間を更に生かしていくように,考え行動しましょう。
この秋,新型コロナウイルス感染症対応を図りながらも,資格・検定試験や各部活動の地区大会,県大会が続いています。学校では文化祭という大きな行事もありますが,これも感染予防とともに,できうる方策を検討しながら,生徒会を中心に皆さんが取り組んでいることを,頼もしく思います。
何をするのか自ら考える習慣を持ち,よりよい方向を見いだし,行動に移しましょう。
さて,今日から本校では,11月6日までを校内読書週間に設定していますね。読書週間について少し触れておきます。
読書週間は,アジア太平洋戦争後間もない,1947年に「読書の力によって,平和な文化国家を作ろう」という決意のもと,出版社・取次会社・書店,公共図書館,新聞・放送のマスコミ機関が連携して第1回が開催されました。翌年の第2回から,期間が10月27日~11月9日の,文化の日を中心とした2週間に定められ,全国にこの運動が広がっていった歴史があります。
「ラストページまで駆け抜けて」が今年の読書週間の標語です。また本校では,特別活動で「本のポップを作ろう」にも取り組むことになっています。文化祭で展示されますので,今から楽しみにしています。
本を読みましょう。
先人の切り拓いてきた,広い視野,深い洞察と豊かな感性とその表現にふれてください。閲覧や検索の履歴から,自分の関心のある,好きなもの,好ましいものばかりを提示されることに慣らされないように。短い単語の掛け合いだけではなく,文章の中から本質を見いだすように。
自分の知らない世界に入っていくことも,この秋に,是非試みてください。気楽に読めるものばかりではなく,少し背伸びをしたものにもトライして,「何だろう」「どうなっているのかな」「なるほど」といった,疑問と思考を深める機会をもってください。
私たちの脳は,生きていくために絶対に必要な器官ですね。これ無しでは,心臓の働きや呼吸をはじめ,生命活動を支える機能が停止してしまいますから。
ただ,脳の働きはそれだけにとどまりません。記憶し,感動し,思考し,時に決心し,行動する。言葉を話し,抽象的なことを考える。経験を通して生きる意味を考える。これらも,脳あってのことです。
脳内では,複雑で巨大な神経細胞のネットワークが張り巡らされています。
この脳の働きをよくする方法には,適度な運動や睡眠,食事などがありますが,これらとともに,皆さんに特に勧めたいのが読書です。(なんだ,そこか,と思った人もいるでしょう。)
10代後半の皆さんの時代こそ,特に神経細胞が発達して,秩序だった神経回路がつくられて,認知,運動,感情などの高度な情報処理を実現する,情報の伝達がより効率的になるのです。今だからこそ,です。
映像や音声といった,瞬時に感覚として受け入れられるものとは違い,読書では文字から言葉を読み取り,自分の脳を使って解釈し,理解しなければなりません。分からないことがあれば,読み返し,辞書を引くこともあります。自分の生き方,その他,形のないもの,在り方なども考えることにもなるでしょう。
こうした活動や,理解に至るまでの行動,思考,想像などが,脳内の神経細胞を発達させ,更に精密さを増す中で,知的な力量を高めます。
ともあれ,まず皆さんには手に本をとって,昼休みや放課後,ちょっとした時間を利用して,読書の喜びを味わい,生きる世界を,より広く深く捉えてほしいと願います。