公開日 2020年09月28日(Mon)
日々の選択と生き方 校長 林 匡
おはようございます。
さて,私は今日,家を出るまでに,朝食をどうしようかと考え,時間が惜しいから簡単に済ませようと考えて済ませました。また,どの柄のネクタイにしようか,ストライプはシャツにかぶっていないかなどと考え,選びました。これらは日常の何でもない営みの一つです。
以前,NHK教育番組に,ピース又吉さんが出演する「今日の選択」がありました。着ていく服,歩くコース,行き先,読む本の内容,食べるもの,などなどを選んでいく番組です。
皆さんも毎日,選んでいますね。
選択する際に,決定する基準は,それぞれの価値観で異なります。
あれにしようか,これにしようかなど,楽しい選択だけならばいいですが,悩みながら選択せざるを得ないこともあります。
それでも,皆さんが何らかの選択をしたとき,そこには必ず「得たい結果,未来」がある。それを,是非わくわくするものにする,と考えていきましょう。
問題,困難,課題。それも,その先にある,自分の未来への扉です。
3年生で,民間企業への就職を選んだ人は,10月16日からの就職試験を迎えます。
面接や作文,適性検査等に取り組んできた就職希望の皆さんが,全力をつくして希望を叶えられることを念じています。
その他の3年生の皆さんも,大事な時期を過ごしていますね。また,2年生・1年生の皆さんも,今の自分をみつめながら,自分の生活リズムをどうするか,また,進学や就職,必要な資格取得などへの取組,選択を迫られているはずです。
どのような状況でも,選択を迫られても,「豊かに生きていくために,何をしたいか」「何のため,誰のためにそれをするのか」という,生き方の基準を持てば,納得し,決意して進んでいけます。
本校の『進路の手引き』表紙裏に記されている言葉。
「思考に気をつけなさい,それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい,それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい,それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい,それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい,それはいつか運命になるから。」というのがありますね。
学習や部活動,家庭・学校での過ごし方の中で,「良い習慣が良い心,良い考え方を育む」ことを,心がけましょう。
今,大きな目標が仮になくても,今の自分から成長したい,豊かにしていきたい,という思いを大事にしましょう。小さな取組を始めてみる。大きな結果になる,ならないを考えてから,やる気を待ってからではなく,ルーティンとしてやっていく。
勿論,目標がある人は,そこを目指していけばいい。
余談ですが,大リーグで活躍している菊池遊星・大谷翔平選手の母校である花巻東高校野球部では,一番苦しい坂道ダッシュでも,それを面白がることができるように工夫しているそうです。チームの雰囲気を作る生徒が,「このダッシュは8回裏3-1で負けている場面で,それでも「よっしゃいくぞー」と言う場面のダッシュだ!」などと言って取り組むそうです。
この習慣が,苦しいときでも楽しめる心を作る。逆境でも,楽しむ言葉を使い,わくわくしながらやる。その全てが,チームの空気(雰囲気)を作っていくというのです。(ひすいこうたろう・大嶋啓介著『前祝いの法則』(フォレスト出版株式会社,2018年初版)という本に紹介されています)
「有明や 浅間の霧が膳をはふ」(一茶)。春の霞に対して,秋は霧です。
気象観測の方では,1Km以上の遠くがぼんやりして見えない場合を霧,それ以上見える場合は靄(もや)と言います。
進路決定に対する不安は当然大きなものでしょう。
思い悩んで気のふさぐことを「心の霧」と言いますが,自分のやりたいことを考え,一歩一歩,実現に向かってください。小さなこと,日常の選択をしながら。その結果,悩みが解決した気持ち,「拭うように晴れ」ますように。
※ 本稿は,9月28日予定の全校朝礼が中止になりましたので,当日の講話に代えて掲載します。